TA教育研究所
モラル・ハラスメントとドラマ・トライアングル
モラル・ハラスメントとドラマ・トライアングル
(救助者・迫害者・犠牲者) By Yoen Ishiyama
モラハラの加害者は、自分が優越感を得るために、相手を攻撃しておとしめる。そういう生き方しかできない人間のようです。
この人たちは、相手の苦しみはおかまいなし、というか、むしろ悦びのようです。相手を服従させ、屈辱を与え、苦しめること自体が快楽なようです。
そうせずにはいられない人間が世の中にはいるのです。もちろん治療と教育が必要な人たちです。
加害者(迫害者)とは、どんな人間か。
被害者とは、どんな人間か。
加害者(迫害者)
パートナーでも、部下でも、当然考えの違いがあります。
お互いに譲り合わなければやっていけないでしょう。
加害者は絶対譲らない人、ほんの少しでも否定的なことを言うと、怒りが抑えられなくなります。
たとえ自分が間違っていると分かっていても、どんなに簡単に、譲れることでも、絶対に譲らない。そのことで、どんなに事態が悪化しようが、相手がどれほど苦しもうが、かまわない人なのです。
加害者は、初めから話し合って解決する気がないのです。
ただ間違いを認めたくないだけです。まともな理由がないから、ごまかすのです。ウソをついてでも間違ったことをやり抜きます。
部分部分は一見もっともらしいから、つい、そこに気をとられて振り回されてしまいますが、本当は意味なんてないのです。ごまかすために何でもかまわず言ってるだけ、嘘が平気なのです。
だから、今までAのことを重要みたいに言っていたのに、いきなり全く関係のないBの話しを始めたりします。
被害者は、わけが分からなくなります。「何でそんな話しを今?」って感じです。
いきなり後ろから頭を殴られるみたいな気分です。出口のない迷路に引きずり込まれたみたいな気分になるようです。
被害者はその時は混乱していて、何が起こっているか、分からなくなります。ただ、引きずり回されて、小突き回され、翻弄されて、本当にいらいらして爆発しそうになります。
被害者はずっと、相手もまともな主張があって、話しているのだと思い込んでいます。ただ、それがうなく伝わっていないだけだって。だから一生懸命に相手を分かろうとします。自分を分かってもらおうとするのです。
いまは興奮しているから旨く話せないのかもしれないと思って、落ち着いた頃、改めて話そうとします。しかし、やっぱり同じコトの繰り返しです。
面と向かって話すからいけないのかもしれないと思って、手紙やメールを書くこともよくされます。効果はありません。(読まずに捨てられていたりする)
モラハラの加害者には、話し合ってよくしようという気が元々ありません。
ただひたすらごまかすために攻撃しています。被害者は長い間ずっと、騙されていることに気づかずにいるのが多いのです。
被害者(犠牲者)
相手の意図が分からないと、不安になって深読みするようになります。
「もしかしたら私、自分が気づかないところで何か悪いことをしたのかな?」
「私には向こうが悪いように見えるけど、もしかしたらあの人は旨く説明できないだけなのかもしれない」
自分の行いを反省して、悪いところを探します。
「あっ、そういえば私・・」
無理に探せば自分の悪いところは必ず見つかるものです。自分が悪いと思うところは自己申告して加害者に謝ります。でもそれは逆効果なのです。
負い目があると知ると,相手はそこを狙って攻撃してくるのです。
自分が悪いと思っていると、抵抗することも、逃げ出すことも確信をもってできなくなります。でも誰も、気づかない、分かってくれない。
救助者
話し合いなんかできないのです。常識で判断してはいけないのです。
普通の人ではないのです。そういう人が世の中にはいるのです。
被害者は逃げるしかないのです。逃げなきゃ危険なのです。
攻撃され続け、萎縮して逃げることも出来なくなるのです。
何も考えられなくなります。魂を殺して生きていくようになります。
発作的にオーバードーズをしたりするのです。
さて、教育者、セラピスト、カウンセラーのあなたは、どうするか。
「役割がかわる」とPay off をつかむですが、役割を変えずに「被害者」をこのトライアングルから、脱出するために、TAをどのように使いますか。
2012年9月22日